沖縄の貧困問題を解決するには? 2


「子供の貧困」という言葉。

僕はとても違和感を感じます。

なぜなら、子供の貧困は子供自身には全く責任がないためです。

子供の貧困は120%が親の責任であることには異論はないと思います。
親という生き物は、子供の為なら自らの人生を捧げる覚悟を持っているハズです。自分が飢えても、子供にはどうにかしてでも食べさせるハズです。

だとしたら、厳しいことを書きますが、子供を貧困に追いやっているのは、親としての精神が欠落していると思わざるを得ません。だから子供の貧困は親の問題だと思うわけです。「子供の貧困」ではなく「大人の貧困」というべきでしょう。

 

沖縄貧困問題

 

沖縄では貧困者数が全国の2倍にのぼっているという統計が存在します。

僕自身は遭遇したことはないですが、沖縄には冬でも汚れたTシャツ一枚で、敗れた靴を履き、風呂にも入っていない子供がいるそうです。痩せて、コンビニのおにぎりをじっと見つめる少女。こうした目撃情報があります。

国や行政がこれらの問題解決のために、対策を講じています。

ご飯を食べられない子供の為に炊き出しをおこなう「子供食堂」もあちらこちらで作られています。いま飢えている子供にご飯を与えることはとても大事なことであり、こうした動きは歓迎です。

しかし、国や行政がおこなう対策は、税金をどこに投入するかという話に終始します。そこにまた利権が生まれ、貧困ビジネスなるものが生まれたりします。テレビ報道などでも貧困だという子供たちが出演し、ネットでその生活実態が暴露され、賛否の意見が飛び交いました。貧困問題までも利権にしてはいけないと思います。

僕は国や行政だけではこの問題は解決しないと思っています。単に食事を与えるのは対症療法。問題の本質を解決しなければなりません。そう、自立を促すための施策が必要です。子供の自立ではなく保護者。つまり大人の自立です。

 

ビートたけしさんの母親の言葉に「子供の貧乏は親の責任」「親の貧乏は子に連鎖する。それを断ち切るには教育しかない」があります。

貧困問題の根本解決には保護者への「教育」が必要です。そして、沖縄の貧困問題の根っこは沖縄県民の思い込みにあると僕は思っています。

沖縄県はひとりあたりの県民所得が全国最下位を争っています。

県民所得には企業所得や財産所得も入っていますので、もう少し実態を探るためにサラリーマンの平均年収を見てみると、やっぱりダントツで全国ワースト1位です。それは、当然の理屈ですが法定最低賃金が全国最下位であり、失業率全国1位が要因であることは容易に想像できます。

一方で沖縄県の企業業績は

・37か月連続「拡大」(2016年8月現在、日銀那覇支店調べ)

・上位100社の売上高合計は6年連続過去最高を更新(金融業除く、2015年度、東京商工リサーチ沖縄支店調べ)

と景気が良い数値が並んでいます。

景気のいい企業は建築業、観光業、それに付随する小売業です。建築業は国からの振興資金が元手の公共事業が多いため、景気がいいようです。観光業は一時的な円安効果や爆買いなどインバウンド増加によるものでしょう。

ところが、これだけ県内企業の業績がいいのに、企業業績が従業員給与に反映されていないのです。

また、少しデータは古いですが、所得者1千人あたりの1000万円超の所得者数ランキングでは沖縄県は10位(2010年度、国税庁所得階級別人員数)となっています。

沖縄の1000万円超の高額所得者は、ほとんどが米軍基地の土地所有者です。つまり、基地の使用料収入によるお金持ちが多数存在するのです。

これらの数値を眺めて言えることは、沖縄県は超格差社会、かなりの階級社会になっているということです。
そのうえ、沖縄県の公務員の給与所得は民間サラリーマンの2.7倍(沖縄の不都合な真実・大久保潤/篠原章共著・新潮新書)もあり、県民雇用者報酬全体に占める公務員人件費は23.75%(全国平均11.74%)を占めるそうです。(同書)

そう、沖縄では公務員は富裕層です。沖縄県は公が民を支配し、民では大企業が市場を支配しています。しかも、利権支配をしています。

僕は引っ越しでいろいろな自治体に住みましたが、自治体がスポンサーである広報番組やCMが沖縄県では断トツに多いです。その番組やCMで「県民は家族」という耳当たりのよいスローガンをしきりと流します。これらのスローガンは同調圧力となり、県民が自分の頭で考えることを放棄する、つまり、県民の精神の奴隷化を図り、一般の沖縄県民を貧しいままに閉じ込めていようという何らかの意図を感じるのは僕だけでしょうか?

また、僕は沖縄県内取引先企業を営業で回っている際に、どの企業でも耳にした話があります。それは助成金の話です。それはそれは小さなお店でも助成金の申請をするんだという話を聞かされたりします。この現象も沖縄県独特です。つまり、県内企業は県からの助成金でズブズブなのでしょう。

一方で少数派の豊かな層があり、一方で、平成の世に貧しくて子供にご飯も食べさせられない層がある。
これは恐ろしくひどい格差社会です。

ところで、法定の最低賃金は、最終的には都道府県労働局長が決定するそうです。つまり、沖縄では法定最低賃金は沖縄県が決めています。決定の前提には使用者代表と労働者代表の調整があるようですが、労働組合が存在しない沖縄では

圧倒的に発言権が弱い労働者の声が反映されているとは思えません。

すなわち、沖縄県は振興資金等で潤っているにもかかわらず、また企業が過去最高の業績を上げているにも関わらず、沖縄県は本土並みに法定最低賃金を引き上げることもせず、普通の県民は低賃金のまま据え置かれています。

 

また、マスコミによって、県民の目は米軍基地問題など中央政府への批判にばかり向けられ、県政への批判は皆無です。

そのためか、沖縄県民は「沖縄県は県民所得が低く、貧しいから低賃金で長時間働かされるのは仕方がない」「沖縄は産業がないから所得が低い」という思い込みに支配されているのです。沖縄県や企業は儲かっているんやろうから分け前をよこせという声は皆無なのです。

一般県民は同調圧力の中で不平・不満など言いたいことも言えずにいます。言いたいことを言えないストレスのうっぷんはお酒や女性に向けられ、飲酒運転、DV率と離婚率のワースト記録の原因にもなっています。

沖縄に素人が出演する結婚式の番組があります。毎週、毎週、挙式のレポートが報道されるのですが、まあ、ものの見事に、ほぼ子連れの結婚式です。子連れじゃなかったら、お腹に子供がいるってパターンです。これもまた沖縄では普通のようですが、県外から来た人間には驚きの現象です。

上から目線に思われそうですが、これらデータから、読み解くと、家族や人付き合いのしがらみの輪の中で、お金もなく、もがき苦しんでいる県民の決して幸せには見えない様子が垣間見えてしまいます。年若くして結婚しても、お金のストレスから、DVや貧困が原因で離婚をしてしまう。そんな様子が垣間見えてしまいます。

「日本で一番いい県都道府県別幸福度ランキング」(寺島実郎監修、一般財団法人日本総合研究所編、東洋経済新報社)によると、沖縄県は堂々のワースト1位もうなづけます。幸福度が全国で一番低いというわけなのです。

幸福を感じていないストレスまみれの夫婦に子供への愛情はゆきわたるのでしょうか?子供の貧困問題の解決は、これら大人の再学習が必要な所以です。

沖縄の貧困問題の相当な根深さに、くらくらめまいがしそうですが、低賃金にノーを言えるように、まずは県民の意識改革が必要だと思います。貧困の連鎖を断ち切るためにも教育が必要です。繰り返しますが、ビートたけしさんの母親の言葉「子供の貧乏は親の責任」「親の貧乏は子に連鎖する。それを断ち切るには教育しかない」です。


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2 thoughts on “沖縄の貧困問題を解決するには?

  • 山口 敦

    こんにちは。御著書を拝読しました。知念さんの国家観に同調する者です。また、私は知念さんと同世代です。(昭和38年生まれ)
    ただ、大戦中の日本兵について、以下のことを周りから聞く機会があり、本当はどうだったのだろう?と考えることがありました。

    ①沖縄出身・在住の友人より「戦時中那覇に住んでいたお母さんは、米兵よりも日本兵のほうが怖いと云っていた」
    ②私の両親より(神奈川県出身です)「戦争が長引いてくると、日本兵はわれわれ庶民のなけなしの食べ物を奪い去っていった。日本兵に対する印象は良くない。そして、戦争の犠牲になるのは結局いつも庶民だ」

    上の二点は、貴著書にも関連する内容が記述されていたので、私個人で反芻している疑問点として記させていただいた次第ですが、もう少しいろいろと調べてみます。さて、私も沖縄の現状を大変憂慮しています。まず、県知事があのような考えでは非常に危ういです。先日、友人に会うのを主目的に、沖縄に数日足を運んだばかりです。私は海外生活が長いので、中国がどんな国であるのか、一般的な日本人よりは肌感覚での実経験を持ち合わせています。沖縄を守るために自分が何をできるのか、考えて行動したいと思っています。

    • gosamaru Post author

      山口さん、はじめまして。コメントありがとうございます。拙著の読んで頂いたとのこと、たいへんありがとうございます。同世代なんですね。親近感を覚えます。

      疑問点についてですが、拙著でも説明したつもりですが、付け加えますと、僕はいろんな偏見を捨てて自分の頭で考えたのです。山口さんも一度、まっさらな気持ちで考えてみてください。

      ①沖縄戦については、僕は以下の問題意識を持っております。

      ・沖縄戦は終戦直前であったため、日本兵は司令部を除き、そのほとんどが職業軍人ではなく20歳前後の若者たち。しかも、サラリーマンや役人、自営業をされていた普通の民間人が徴兵されて沖縄戦へかけつけたはずである。そんな若者たちが一斉に怖い日本兵に化けるだろうか?

      ・沖縄戦が語られる際には常に民間の県民の話だけが画一的に語られる。逆に大田中将の電文は証拠として残っている日本兵側の証言であるにも関わらず、沖縄の平和教育ではなぜか採用されないケースが多い。これはフェアなのだろうか?

      ・民間人のあまりに画一的な証言はご本人の実体験だろうか伝聞だろうか?

      ・伝聞であったなら、戦後に思い込まされた可能性はないだろうか?

      ・戦後は米兵は救世主、日本兵は侵略者と刷り込まれたのが事実なら、日本兵が悪者という画一的な証言はプロパガンダの可能性はないだろうか?

      ・日本兵にもいい人も悪い人もいたであろうし、うちの母は日本兵は優しかったと証言している。そのうえ、沖縄県民の日本兵も多数存在した。だから、すべての日本兵が悪人だったとはどうしても思えない。日本兵のすべてが悪人として伝承されていることには違和感と共にストーリーの希薄さを感じざるを得ない。

      ・日本人が真に恐れていたのは植民地主義の米英であり、だからこそ集団自決が起き、玉砕が起きたのだと考えるのが自然であろう。米兵により奴隷にされたり、女性は辱めを受けることを心底恐れていたはずだ。大田中将の電文によると娘を軍に預けた方が安全だと軍営の門のところに捨てる親もあったとしている。これは証拠が残されている事実であり、米兵を恐れ、日本軍と共にいれば米英の辱めから守られると考えていた人もいたということであり、画一的な証言とあきらかに矛盾している。

      ②戦争をしかけてきたのは植民地主義の欧米であり、民間人が戦争の犠牲になったのはアメリカによる戦時国際法違反である。常に民間人が犠牲になるとの責任を日本兵へ転嫁したのは、戦後アメリカのプロパガンダによる思い込みである。ご両親は確かに接触した日本兵への個人的な体験からの悪い印象をお持ちかもしれない。たいへん恐縮ではあるが、だからと言って日本兵がすべて悪かったとはならないはずである。

      今僕らが普通に自由を満喫し、生活ができるのは日本兵のおかげであることに僕は感謝の思いでいっぱいでいます。
      僕らの世代で偉大な日本が滅亡してしまうと先人たちに申し訳がたちません。ともに行動を起こして事実を伝えていきましょうね。手っ取り早いのは周りの人たちに僕の本を読んでもらうことです(笑) 今後ともよろしくお願いします。